片岡 大和
片岡 大和Yamato Kataoka

代表取締役 CEO

早稲田大学教育学部国語国文学科卒業、Portland State University School of Urban & Public Affairs LOHAS (USA) 課程留学後、P&Gジャパン株式会社(現合同会社)マーケティング本部に入社。
P&Gイノベーション合同会社研究開発本部デザインセンターに出向後、Procter & Gamble International Operations(Singapore)にてシニアブランドマネージャーとしておよそ15年ぶりとなる新カテゴリでの新ブランド発売をリード。

natural tech株式会社にて取締役COOとして新ブランドの立上げ、ライフスタイル事業部、ビューティ事業部の責任者を務めたのち、現在は株式会社Marketing Sub Domainの代表取締役CEOを務める傍ら、東京農工大学大学院工学府にて准教授を兼任。

2026年、株式会社botanienceを創業し、代表取締役CEO就任。

2015年 P&G CEOチャレンジ優勝、2020年 朝日広告賞 朝日新聞特別賞 受賞。

  • botanienceを創業するまでのプロフィールを教えてください。

    就活時代は幅広くさまざまな業界を受け、外資系企業を中心に17社から内定を頂いた中からP&Gのマーケティング本部の内定を受諾しました。

    
その理由は、私の学生時代からの夢である「学校経営」を実現するうえで、①生徒保護者を惹きつけるためのマーケティングスキル ➁教師陣を纏めるマネジメントスキル ③資本を得るための投資家とのコネクションが重要だと、既に学校経営されている方から伺い、P&Gマーケティングが最も理にかなった選択だと考えたからです。

    入社後は、ベビーケア事業部に配属され、赤ちゃん用紙おむつの『パンパース』というP&G世界最大ブランドを担当しました。購買者が初めておむつ購入を意識するPOME(Point Of Market Entry)である病産院で如何に『パンパース』を導入していただくかや、おしりふきのリブランディング等様々なプロジェクトを担当しましたが、どれも規模感が大きく、かつ確立したビジネスモデルを学べたのはとても有意義でした。特に、実際に使用する消費者(赤ちゃん)と購買者(ママやパパ)が異なるという点は、学校教育にも通じるところがあり、マーケティングをするうえでとても重要な視点だと感じました。

    入社2年目で、P&Gイノベーション合同会社(研究開発本部)やP&G International Operations(シンガポール・アジア本社)の新規事業開拓チームに異動になり、シニア・ブランド・マネージャーとしてアメリカやドイツ、スペイン、中国など世界各国のP&G社員と仕事をしました。

    2019年には、P&Gジャパン史上およそ15年ぶりとなる新規カテゴリでの新ブランドの投入をリードするというとてもユニークな経験をさせていただき、女性用尿ケアカテゴリという未知の領域で、消費者調査の設計から商品開発、パッケージや店頭のデザイン、TVCM等クリエイティブの作成、トライアルプランの策定、デジタル・データ領域のマーケティング戦略の立案をするなど、毎日が新鮮でした。

    「新事業領域で新規ブランドの立ち上げをしてほしい」と誘われ、2019年10月から副業役員として創業間もないnatural techにジョインしました。P&Gでフルタイムとして働きながらの参画だったため両立は大変でしたが、大企業と異なり資金や人材等のリソースがない中で、売れるブランドを作り上げたいという挑戦心が背景にありました。
    2021年にP&Gを退職してからは、取締役COOに就任し、主に新ブランドの企画・立上げ(mitas for men、Rimenba、Eyepa、BEAW.キャンドル・フェイスウォッシュ)とライフスタイル事業部、ビューティー事業部の事業責任者を担っていました。

    現在は、2020年に創業した株式会社Marketing Sub Domainというマーケティング支援企業の代表取締役CEOと、東京農工大学大学院 工学府にて准教授を務めている傍ら、株式会社botanienceの代表取締役CEOを務めています。

  • なぜbotanienceを創業しようと思われたのですか?

    私が botanience を立ち上げた背景には、学生時代から一貫して抱いてきた問いがあります。

    「人は、自分らしさを失わずに、社会で成果を出し続けることができるのか」という問いです。

    学生時代、私は学校経営に強い関心を持っていました。
    それは、個性や強みを伸ばすことと、進学や成果といった“結果”を出すことは、本来トレードオフではないはずだと感じていたからです。自分らしく生きながらも、きちんと評価される力を身につける。

    その両立こそが、教育の本質だと考えていました。

    その後、P&Gやnatural techでの経験を通じて、
    「年齢を重ねても、健康で、自分らしく生きることの尊さ」を学びました。

    ご高齢の方々が、身体的にも精神的にも自立し、人生を楽しみ続けている姿は、とても美しく、力強いものでした。
    一方で、自分自身や身近な人たちを通じて、ミドル世代が抱える別の課題にも向き合うようになりました。
    仕事や家庭に追われる中で、外見の輝きや、内面の充実、自分らしさを後回しにしてしまう現実です。

    私は、こうしたすべての経験から確信しました。

    人は、どのライフステージにおいても、学び、整え、輝き続けることができる。
    そして、それを支える仕組みや事業は、まだ十分に存在していない。

    botanienceは、人が「自分らしく生きながら、成長し続ける」ことを支援するためのスタジオです。
    年齢や立場に関係なく、一人ひとりが人生のオーナーとして、より良い選択を重ねていける社会をつくる。

    その実現をサポートさせていただくために、botanienceを創業いたしました。

  • 創業後、特に印象に残っている出来事やイベントがあれば教えてください。

    botanience を立ち上げてから、最も印象に残っている出来事は、創業そのものよりも、創業に至る過程で、多くの人に支えられていたことを強く実感した瞬間です。

    今後の進路について悩んでいた際、過去に働いていた仲間、外部パートナー、学生時代からの友人など、本当に多くの人に相談しました。

    そのほぼ全員が口を揃えて、
    「自分で会社を立ち上げてチャレンジすべきだ」と背中を押してくれました。

    さらに印象的だったのは、彼らが見返りを求めることなく、ほぼ無償に近い形で多くのサポートをしてくれたことです。
    事業アイデアへのフィードバック、実務的な手助け、精神的な支えまで、嫌な顔ひとつせず関わってくれたことは、今でも強く心に残っています。

    そして何より、
    「信じて待ってくれている」という姿勢が、私に大きな勇気を与えてくれました。

    この経験を通じて、
    人は管理されることで動くのではなく、信頼されることでこそ力を発揮するということを、強く実感しました。
    それは、botanienceが大切にしている、Trust the team という価値観の原点でもあります。
    だからこそbotanienceでは、
    仲間の意思や仕事を信じ、任せ、支え合う文化を何より大切にしています。

    そして事業においては、利潤を追求するだけでなく、これから出会うお客様やパートナーの皆さまから
    長く信頼していただける存在であり続けることを何より大切にしたいと考えています。

    支えてくれる仲間への感謝を忘れず、その信頼に応え続けること。

    それが、私たちが事業を続ける理由です。